公正価値による金融負債測定の企業会計的意義 : 金利変動リスクを公正価値測定に反映させる論拠の検討を通じて (笠井昭治教授退任記念号)
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概要
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笠井昭次教授退任記念号国際的には, いまだ多くの反対があるにもかかわらず, 金融商品に対して全面的に公正価値測定を適用しようという動きは根強い。なかでも金融負債の公正価値測定については金利変動リスクのエクスポージャーを反映させるべきか否か, 債務者自身の信用リスクを反映させるべきか否かといった点につき議論が尽くされていない状況である。本稿では, そのうち金利変動リスクのエクスポージャーを金融負債の公正価値測定に当たって反映させるべきか否かという問題を取り扱う。具体的には, 金融商品に対して全面公正価値測定を提唱したIASCのディスカッション・ペーパーを題材に, 金融負債の公正価値測定を支持する論拠を, 設例によって検討する。その上で, 金融負債の公正価値測定が投げかけている問題, 特に発生主義会計との整合性に疑問が生じる可能性を示す。
- 慶應義塾大学の論文