<原著>糖尿病網膜症および糖尿病黄斑症における網膜電図の検討
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概要
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正常者(20例20眼)と糖尿病患者(92例141眼)を対象としてフラッシュ網膜電図(electroretinogram, ERG),フリッカーERG,短時間,長時間光刺激のblue-on-yellow ERG を記録した.糖尿病網膜症の福田分類各病期におけるERGを検討した結果,0期において振幅と頂点潜時に異常を示したものは,フラッシュERGのa波,短時間光刺激のblue-on-yellow ERG のb波であった.次に福田分類A2期とB1期の黄斑症のない群【M(-)群】とある群【M(+)群】のERGを検討した結果,M(+)群がM(-)群よりも有意に振幅が減弱したものは,A2期ではフラッシュERGの3番目の律動様小波(03)であった.B1期では短時間光刺激のblue-on-yellow ERG のbs波であった.頂点潜時では,M(+)群がM(-)群よりも有意に延長したものは,A2期にはなく,B1期ではフラッシュERGのa波,すべての律動様小波(01,02,03),フリッカーERG,短時間,長時間光刺激のblue-on-yellow ERGのb波であった.以上より,フラッシュERGのa波および短時間光刺激のblue-on-yellow ERGのb波が早期の糖尿病の診断に役立つ可能性が示唆された.またM(+)群は単に黄斑症があるだけでなく,M(-)群よりも網膜全体の機能が低下していることが判明した.
- 2002-12-25
著者
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