「学歴社会」における児童・生徒の生活 : 旭川市の小中高校生を事例として
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概要
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本稿では、旭川市の小中高校生を対象に、子どもたちの生活の全体像を浮き彫りにし、「学歴社会」といわれている現実が、児童・生徒の生活にいかなる問題を生み出しているのかを明らかにした。<BR>その結果、第一に、旭川の子どもたちは、「学歴獲得競争」をそれほど重視せずフォーマルな「学校文化」に背をむけて日々を過ごしていたこと、第二に、「学歴社会」は、(1)学年の上昇にともなう「社会関係からの孤立化傾向」、(2)拡大する親子の間の認識のズレ、(3)「底辺校」の高校生の職業選択の遅れ、(4)「学ぶこと」の真の意義の喪失等々の問題を生み出していたこと、第三に、その中で、学歴獲得競争に比較的積極的な姿勢を示していたのは、管理的職業や専門技術の親をもつ一部の階層の小中学生であったこと、第四に、高校段階になると階層差は進学校と「底辺校」の生徒の出身階層の違いとなって現われていたことが明らかになった。<BR>このことは、一方で、子どもたち全体の生活や意識の変化の中に「学歴社会」の弊害を見いだすことの重要性、他方で、「学歴社会」における学歴獲得が決して平等な形で展開されているものではないという事実を示している。<BR>「学歴社会」の克服は、これらの点をふまえなければ十全な形で実現することはできないといえる。
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