北海道の産業・就業構造の変化と雇用問題(<特集>北海道の戦後50年)
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概要
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原材料資源の供給基地として日本経済の補完的な役割を果たしてきた北海道は,農林漁業,石炭,鉄鋼,パルプ等少数の産業に著しく特化した産業構造をもっていたが,高度経済成長期以後はサービス業,卸売・小売り業等第3次産業へ比重を移してきた。明治以来,国や道による「官」主導の開発が進められてきた北海道では,基幹産業の衰退は代替産業がないだけに経済活動の中心を勢い公共事業や観光事業に求める傾向が強く,その体質改善が北海道経済の自立に結びつけて昨今鋭く指摘されているところでもある。また就業構造については自営業主,家族従事者が減少して雇用者が増える中,雇用者全体のホワイトカラー化が進みかつ女子の就業率の増加が顕著である。しかし基幹産業の縮小・後退による地域の雇用問題に加えて,経済のグローバル化にともなう産業の再編過程で,われわれをとりまく雇用環境も大きく変わりつつある。パートタイム,派遣労働など非正規雇用が増加し日本的雇用の枠組みも徐々に崩れつつある今日,だれもが将来の雇用と生活に漠然とした不安をもつ時代になった。ここではそのような現状の把握と問題点の指摘を行うものである。
- 北海道社会学会の論文
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