<論文>遠赤色光遮断フィルムがプラグ育苗時の数種野菜苗質に及ぼす影響
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概要
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遠赤色光の透過を遮断するフィルム(YXE-4#75E、R/FR比:1.43)を被覆資材として用い、キャベツ、ハクサイおよびレタスのプラグ育苗に応用した場合の徒長防止効果について調査した。間引き後と播種から育苗終了時までの期間に、本資材をトンネル被覆して試験を行い、自然光環境に近いフィルムを被覆した対照区(R/FR比:1.08)と比較した。 1)FR遮断による伸長抑制効果は、キャベツが最も大きく、対照区よりFR遮断区で草丈、葉長が6~16%減少し、草姿はコンパクトになった。ハクサイについては、FR遮断による草丈抑制効果は観察されたものの、その効果は小さかった。また、これらの草丈抑制効果は、栽植密度が低い場合に大きかった。2)レタスでは、被覆期間が異なってもFR遮断による伸長抑制効果が得られず、反対に草丈が14~16%増加し、徒長する結果となった。これは、栽植密度が高すぎるためであると考えられた。 3)作目により異なったが、FR遮断区では地下部生体重が減少しT/R比(地下部・地下部乾物比)が増加する傾向が示された。FR遮断区の根鉢強度も低下し、これは、FR遮断区での根量低下に起因するものであると考えられた。 4)光質の変化に対する生育反応は、いずれも植物種、品種並びに栽植密度により異なった。
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