『源氏物語』係結考 : 「若菜上」における
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概要
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文芸作品は、それぞれの作品がそれぞれ独自の文体を持つ。その文体も、時代により大きく異なる傾向があると思われるが、『源氏物語』のような大作では、五十四帖の一帖一帖の文章に特徴があるはずである。その落差が大きければ、ひょっとすると同一作者の手によるのではないのかも知れないという危惧さえも生ずることになりかねない。同一作者であっても、若い時と老後とでは文章の書きぶりも変わって行くと考えるのが自然であろう。いずれにしても、まず一帖一帖慎重に調査し、統計的処理を施しておくことが必要と思われる。そういう意味で、「係り結び」の出現率は、一つの手掛かりになるのではないか。何分にも厖大な数なので、賽の河原に石を積み上げるような気の遠くなる仕事ではあるが、「着手は半ば成就なり」という諺を励みとして、何とかがんばって行くしかあるまい。御叱声を乞う次第です。
- 文教大学の論文
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