<報告>精神分裂病者における身体合併症の発見
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概要
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精神分裂病者における身体合併症に気づくための, 看護上の留意点を求める目的で, 過去の病歴を検討した。上都賀総合病院の精神分裂病入院症例631例中, 身体合併症で他科入院を要した例は42例(6.7%)で, うち26例の病歴が分析可能であった。発見の契機で2群に分けると, 17例(65.4%)が本人の訴えに(I群), 9例(34.6%)が観察によった(H群)。7日以内の早期に気づかれた率は, I群; 94.1%(16/17), E群; 66.7% (6/9)で, 群間に有意差がなかった。患者背景;性別, 平均年齢, 精神科治療歴に群間の差はなかった。I群での訴えは奇異な言葉を含んだが, 普段と異なる表現内容が異常を示唆した。結論:精神分裂病者において, 訴えの有無は患者背景によらなかった。本人の訴えなしに観察で発見できた場合があり, 異常の早期発見率は訴えによった群と差がなかった。訴えた例では, 身体症状の直接的でない表現の中に発見の契機があったことが注目された。