内部収益率から見た日本の大学教育
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概要
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最近の日本の4年制大学教育がどの程度の経済的効果を持っているかを見るため,その内部収益率を男女別に推計する。また比較のためセテリス・パリブス概念の下に,米国の4年制大学教育の内部収益率も男女別に推計する。さらに日本の場合については大学卒業後の所得の変化によって内部収益率がどのように変化するかを分析する。その結果,次のことがわかってきた。完全雇用労働者の平均所得から,人口の中には卒業後にも就職しなかったり途中退職したりした非労働者がいることを考慮した平均所得に変化させると,日本女子の収益率は大幅に低下して日本男子の収益率よりも低くなった。この他にも,歳を取るにつれて死亡する人が多くなる点や,就業者だけでなく完全失業者がいる点についての分析を行なったが,これらの点は男女それぞれの収益率に大きな違いをもたらさない。