<論文>世界自動車需要供給バランスの分析
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概要
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・世界の自動車市場全体(64ヶ国)は1998年に年間5,204万台と推定されるが,そのうち,日米欧亜(日本,北米,西欧,アジア)は全体の84.1%を占める大市場となっている。・世界の需給バランスの合計をみると,需要5,254万台(世界各国総合計)に対して輸出,あるいは輸入は2,520万台と48.0%に相当する。つまり,世界全体では約半分が輸出輸入となる流動的な世界市場となっている。このことは,生産と需要とが必ずしも一致しない適地生産の世界調達戦略が展開されていることを意味している。日本の生産は「日本への分配が少なく(55.3%),残りは他の地域へ分配されている。一方,北米の生産は北米への分配に集中(94.8%)しており日本と対照的である。又,西欧,アジアも自地域への分配の割合は高い。・日本の需要は日本の生産でほぼ調達(95.2%)されており,自国依存度が極めて高い。一方,北米,西欧とも需要の1割以上は他地域から調達されている。とりわけ,北米の需要は2割程度が他地域(日本から1割弱)調達されている。・世界の自動車総売上は1998年に年間1兆442億ドルと推定されるが,そのうちベスト20の主要メーカーが総売上の98.1%を占めている。さらに,提携関係によるグループ別でみると,わずか6グループが総売上の78.0%を占めている。・トヨタは国内向け(国内販売),海外向け(輸出),海外地産の比率(1998年)が,それぞれ約1/3づつと同率になっている。GMは地域内向け,海外生産の比率がそれぞれ約2/3,1/3であり,海外向け(輸出)は殆どない。Daimler-Chryslerは地域内向けの比率が8割近くあり・海外向け(輸出)・海外生産の比率はそれぞれ1割程度となっている。
- 九州共立大学の論文
- 2000-09-25