ナバホ・コミュニティ・カレッジ : 民族自決と多文化教育の試み
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概要
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この小論の目的は,1968年にアメリカ最初の部族大学として設立されたナバホ・コミュニティ・カレッジを紹介し,その教育の特徴を分析することにある。まず1868年以来のナバホ族の学校教育の歴史を概観し,その上でナバホ・コミュニティ・カレッジの設立の背景とその後の展開を紹介する。さらに,アメリカ先住民による部族大学の問題点や特徴に触れた上で,ナバホ・コミュニティ・カレッジの教育理念やカリキュラムの特徴を分析する。ナバホ・コミュニティ・カレッジは同化主義と多文化主義の相反する二つの力の上に成立した教育機関であり,カリキュラムにおいても同化主義と多文化主義の二重構造があることを論じた。同大学は,学校教育という西洋的な制度の器に,ナバホの文化・歴史・言語という先住民の魂を盛り込もうとする「和魂洋才」ならぬ「先魂洋才」の試みでもあり,制度的な二重構造を持つものとも解釈できる。さらに,大学側が提供しようとする教育と学生が求めている教育の違いにも触れ,目的意識における二重構造があることも論じた。ナバホ・コミュニティ・カレッジの将来は,カリキュラム,制度,目的意識におけるこれらの二重構造が今後どのように展開するかにかかっている。
- 青山学院女子短期大学の論文
- 2001-12-25
著者
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