<論文>中級後期日本語教育のコース・デザインの試み : 短期集中コースにおける中級後期学習者向け指導の実践報告
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概要
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中級後期学習者の日本語力を,学習者,教役者双方が実感する形で効果的に伸ばすにはどうすればよいか。このレベルの指導に常につきまとうこうした問題への一つの解決案として,今回我々は,教師がイニシアティブを取る形で,「逆算の方式」に基づくシラバスデザイン,および学習者の自律的学習を支援する学習ストラテジー指導をカリキュラムデザインにとりこむことを試みた。ここで「逆算の方式」というのは,(1)学習者のニーズならびに一般に中級後期の学習者に求められる総合日本語力を基に(2)「到達目標」を設定し(3)そこから学習者の「達成課題(タスク)」を定め(4)そこで必要とされるスキルをシラバスとして抽出し(5)授業を実施していく方式をさしている。今回のこの試みは,学習者全員から一定の評価を得ただけでなく,教師の側にもその成果を実感させるものとなった。本稿はその実践報告であるが,同時に今回の方式を中級のコース・デザインの1つの指針として提言するものである。
- 国際基督教大学の論文
- 2000-03-31