<原著>介護職員の疲労自覚症状調査 : 日勤・夜勤の疲労自覚症状と仮眠による影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本調査は, 施設に勤務する介護職員の疲労度の実態を知り, 疲労対策の基礎資料とすることを目的として行った.すなわち, 日本産業衛生学会・産業疲労研究会が作成した「疲労自覚症状しらべ」の質問表を用い, 特別養護老人ホーム4ヵ所において高齢者の介護に携わっている介護職員女性34名を対象調査とした.その結果を以下に示す.1.日勤業務は「一般作業型」であるが, 夜勤業務は「精神作業(夜型)」の傾向が認められた.2.ほとんどの調査項目において, 日勤よりも夜勤の方が作業後の疲労の訴え及び作業による疲労の訴え(作業後の訴え一作業前の訴え)の増加率が高くなっていた.3.仮眠を撲った直後に, 疲労自覚症状の訴え率が仮眠前と比べて増加することが明らかになった.特に眠気とだるさ及び注意集中の困難を示す項目の増加が著しかった.その為, 仮眠直後は業務上の事故を起こしやすいことが推定され, その対策が必要と考えられた.4.夜勤とその前後の休息について検討したが, 午後4時より翌日8時までの夜勤明けの第一日と次の日の休息でほぼ夜勤後の訴えは, 回復している.5.夜勤後の日勤(連続3日間の日勤が続く)の作業前の疲労自覚症状では, 日勤開始後第二日目の作業前の自覚症状の訴え数が多かった.以上を総括して, 介護職員の休息の撲り方, 作業方法等を検討し, 疲労の軽減を図っていく必要があると推測された.
- 川崎医療福祉大学の論文
- 1999-12-25