高齢社会における在宅ケア支援システムに関する研究 : システム設計法を用いて
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概要
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わが国の人口構造の高齢化は, 他の先進諸国に例を見ない速度で進展している.人口構造の高齢化は, 後期高齢者の増加と, 介護要員の高齢化による家庭内介護力の相対的不足という2つの重大な問題をはらんでいる.このことは, 何らかの障害を有する後期高齢者を高齢者が介護するという, わが国における近未来の在宅ケアの来るべき様式を示唆するものである.近年, 高齢者のケアの場として家庭が選択され, 在宅ケアが推進される傾向にあるが, 高齢者の在宅ケアは家族の介護力のみに依存することは困難であり, 社会的責任において家族の介護力を補完的に支援するシステムが早急に整備されるべきである.筆者は本研究において, 在宅ケア支援システムを設計するにあたり, これまでのような行政担当者による恣意的かつ対症的な方法によるのではなく, 演繹的システム設計法(SDM)を利用して在宅ケア支援の全体システムを設計する方法の可能性について考察した.全く新しいこの方法論によって, 未曾有の高齢社会を迎えるわが国の在宅ケア支援システムにおける医療と福祉の有機的連携を図ることにより, 要介護高齢者の生活の質(QOL)の一層の向上がもたらされるのである.
- 川崎医療福祉大学の論文
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