月経における心身の相関関係についての考察: Cornell Medical Index-Health Questionnaire(CMI)の判定結果を1つの手がかりとして
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概要
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1.本稿では月経における身体的・精神的・心理的機能との間に起こる相互作用についてCMIを1つの手がかりとして考察し論じることが目的である。2.対象は1988年, 1989年, 1990年の新入生で, 在籍者720名中, 回答した者は715名(回答率99.30%)であった。3.方法はCMIのH項目(泌尿生殖器系, 質問項目13個)中, 直接月経についての質問6個(質問項目番号, 97,97', 98,99,100,101)を抽出し, (1)対象者全体で6個の質問がどの程度の頻度で選択されたか(2)CM1判定結果別で6個の質問項目がどのような順位で選択されたか(3)CM1判定結果と選択した項目の数, また, A(判定1とII)群とB(判定IIIとIV)群の2つのグループに分けた場合の選択した項目数について検討した。4.(1)対象者全体の半数以上が「月経痛」のあることを訴え, 次いで「月経不順」, 「月経時の身体的不調」, 「月経時のいらいら」, 「月経時に寝こむ」, 「からだが熱くなったり, 汗が出たりするか」の順位で選択されていた。(2)判定結果別では神経質傾向が高くなるにつれて項目数を選択する割合は高くなっていった。特に判定1,IIより判定III, IVの方が「月経時の身体的不調」を感じ易く, 加えて, 判定IIIでは「月経時の精神的いらいら」を判定IVでは「月経時によく寝こむ」と回答する割合が多かった。(3)選択項目数の検討でも, (2)と同様に神経質傾向が高くなるにつれて選択した項目数も増加し, これはA, B群の検討で一層はっきりとした。したがって, 以上の結果から心理的に過敏(神経質傾向)な者の方が月経に伴う心身の不調を感じ易いという知見を得た。5.月経(特に月経前, 月経期間)についてはさまざまな身体的・精神的不快感が表面化する場合があり, 心理的な過敏性が性格形成上大きく影響している場合, 精神的不快感は自己コントロールを弱めるものと考えることができる。今後は, 他の心理テストやアンケートを併用し, 同時に母親との関係, 月経についての学習過程などについて検討・考察していくことを課題としたい。
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