<資料・研究ノート>イランとアラブ世界 : 1991 年度アラブ諸国調査報告
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
筆者は,1991年7月30日より9月6日まで,文部省科学研究費補助金により,エジプト,モロッコ,テュニジア,シリアの四カ国を単身調査旅行をする機会を得た^<2)>。そこで,今回の調査中に筆者が感じた点をここでいくつかまとめてみたい。筆者はイラン近代史を学んでおり,2年間の滞在を含めてイランを訪れる機会は今までに数回あったが,アラブ諸国は1984年にアラブ首長国連邦を数日間訪問しただけで,今回が事実上初めてといってよい。これまでアラブ諸国については文献やアラブ研究者の御教示などから学んできたつもりではあったが,その際には,無意識のうちに自分の対象領域であるイランの事例を前提にアラブ世界を理解しようとしていたことを今回の調査ではっきりと思い知らされた。実際にアラブ諸国を,限られた地域だけ短期間とはいえ,自分の脚で歩き,自分の眼でみて,いままで自分の中で想像していたものが現実とは大いにかけ離れていたことを痛感した。そこで,まず,現在のイランとの比較の上で,特に印象的であったことを2点ほど取り上げることとしたい。
著者
関連論文
- イランとアラブ世界 : 1991 年度アラブ諸国調査報告
- 近代アフガニスタン国家の成立過程 : ヘラートの事例を中心に(イラン世界とその周辺地域-その形成と展開)
- 最近のアフガニスタン近代史研究動向 : ノエル『19 世紀アフガニスタンの国家と部族』を中心に
- 「イラン研究動向-イラン概念の再検討」研究会について
- 19 世紀初期のホラーサーン : 初期のカージャール朝についての-試論
- 18 世紀末イランの諸群雄 : カージャール朝前史の基礎データ