<論文>第二次世界戦争後の韓国において : 社会変動と民主化運動
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概要
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韓国が日本の植民地から解放されたのは1945年8月15日の日本の敗戦である。韓半島は不幸にも二つの韓国が生まれ韓半島分断の固定化になってしまった。既に40余年が過ぎた。北は「朝鮮」南は「韓国」で国民は同じだが理念が異なる政治路線の両指導のもとで厳しい国家造りをして来た。その間の韓国の社会・文化の変容は, 実に近世数百年間の世界変化に該当するといえる。社会はいろんな組織が内在されている。従って社会・文化的変容と民主化運動の間には不可分の関係がある。民衆が時には学生の運動に順応する事もあり又, あるいは逆らうこともある。我々の関心はこのような社会変動と民主化運動との関係にある。社会・文化とは経済・政治, 社会, 文化全体を含む概念である。1945年解放以後, 韓国の社会・文化はどのように変って行き, これに対し宗教はどのように反応したかを見ることにする。変容は時間的範囲のもとで考察しなければならない。それ故, ここでは歴史的推移に従って, 四つの時期に分けて見ることにする。一時期と一時期の間を明らかに年数で区別することは困難である。しかし大体十年単位で分けて見て差支えないだろう。そして各時期には, そこに目立った特徴が見出せる。すなわち, 第一期は政治的自立を模索した時期であり, 第二期は経済的成長のため闘争した時期であり, 第三期は文化的主体性を模索した時期であり, 第四期は民主化運動と統一を模索する時期だといえる。このような社会・文化的変動には, 各々に該当する宗教の特徴的な運動があった。宗教といっても具体的には仏教とキリスト教のような既成宗教があり, 統一教や伝道館のような新興宗教があり, また民間信仰現象などもある。従って各時期ごとに, このような宗教がまちまちに異なった反応をしめしている。しかしここでは, 各時期に目立って現われた宗教の様相だけを取り上げて見ることにしたい。
- 上智大学の論文
- 1986-12-26