'80年代のパリモード
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概要
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モードは時代を反映し,時代がモードに与える影響は大きく,人々は,意識の有無にかかわらず,日々の生活の中で,その時代をファッションで,パフォーマンスしているともいえます。フランス革命200年にあたる'89年は,フランス国旗の青,白,赤のトリコロール・カラー,またスペンサー・ジャケットとジョドパーズ,チュニック・ジャケットとタイツなど,革命(1789年)へのノスタルジィが感じられるコスチュームが多くみられました。コロンブスの新大陸発見(1492年)から500年を記念してスペインのバルセロナでオリンピックが,セビリアで万国博が'92年に開催されることもあり,'90年春夏のコレクションは,現地マドリッドはもちろん,パリ,ロンドン,ニューヨークにも,闘牛士スタイルのトレアドル・ジャケットとトレアドル・パンツ,マタドール・シャツ,またフラメンコ・ダンスのコスチュームのラッフルやフリル,ゆれ動くスイングするフレアなどのアイテムが,トレンドとしてコレクションを賑わせています。ウォース(1825〜1895)が,妻にドレスを着せて顧客にみせたのが,モデルによるコレクションの最初で,またポール・ポワレ(1875〜1944)は,女性をかたいコルセットから解放するなど,長い歴史のあるオートクチュールには,現在のプレタポルテのベースになっているものが多くみられます。'89〜'90秋冬コレクションでは,デザイナーの新旧交替が多く,'90年代への新しい変化への暗示すら感じられます。'80年春夏から'89〜'90秋冬までの10年間の年代を追って,ニュース性や世相を時代背景と共に,パリコレクションを解説します。
- 1989-05-15
著者
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