<論文>都市部における女子青少年団体の研究 : ガールガイド,ガールスカウトを中心に
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概要
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本稿の目的は,イギリスではじまった女子団体が日本に導入され定着した過程と実態,またこの団体が占領という状況下でCIEの注目を受け,全国の青少年教育関係者,婦人会等に紹介され,青年団などの他団体のモデルとしての役割も果たした事実確認と背景の把握にある。ガールガイドは日本では20世紀初めに結成され,第二次世界大戦中に実質活動を停止したが,戦後初期に再建されて今日に至っている。占領期にはボーイスカウト,YWCA,YMCAとともに「民主的団体」としてGHA/SCAPに注目され,青少年団体再結成の雛型となった。戦前はイギリスのガールガイドを基本として紹介され,占領期にガールスカウトとして再結成されたこの女子青少年団体は「民主的団体」として注目された。占領下にあって同団体は,そこで培われたグループワーク理論と共に広くIFEL等において紹介され戦後教育に大きな影響を与えているが,その詳細な検討はなされていない。以上をふまえ,次の様に論の展開を試みた。 I.イギリスにおいてガールガイドの発足した過程とその時代状況,「求められる女性像」,日本への伝播と戦前の活動の概要の解明を試みた。 II.では占領軍の青少年教育政策とその政策内におけるガールスカウトの位置,その再建過程とその担った役割を考察した。なおIII.においては,同運動を女子(女性)団体・女子(女性)教育という観点から検討した点が本稿の特色である。
- 2003-03-31
著者
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- 圓入智仁著, 『海洋少年団の組織と活動 戦前の社会教育実践史』, 九州大学出版会刊, 2011年5月発行, A5判, 332頁, 本体価格4,600円