<論文>法と言語 : ドイツ正書法改革を中心として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ドイツにおいてドイツ語の綴り方の規則である正書法が改定された。それをめぐって,様々な裁判所において争われ,最終的に連邦憲法裁判所による判断がなされた。結論として,正書法改革は合憲と判断されたが,言語権,親の教育権,法律の留保など非常に重要な論点が争われた。言語権については,ドイツの基本法2条1項により保障されているとされているが,この点に関する連邦憲法裁判所の判断は不十分なままであった。また,親の教育権について,連邦憲法裁判所は先例に沿った形で処理し,法律の留保の問題と関連付けて,つまり本質性理論に基づいて検討している。連邦憲法裁判所は,正書法改革は基本法との関連性が希薄であり,議会による決定は必ずしも必要はないと判断した.しかし,正書法改革は新しい書き方を導入するものであること,また社会に大きな影響を及ぼすことから,やはり議会による民主的な決定を経るべきであったと考えられる。
- 早稲田大学の論文
- 2003-03-31