小児期重症紫斑病性腎炎に対する多剤併用療法の治療効果
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概要
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小児期重症型紫斑病性腎炎は,高頻度に慢性腎不全に進行するが,現在までその治療法の検討は不十分である。今回我々は,組織学的に予後不良と考えられた紫斑病性腎炎22例に対してプレドニゾロン,免疫抑制剤(サイクロホスフアミドまたはアザチオプリン),ヘパリン-ワーファリン,ジピリダモールを用いた多剤併用療法を行ない,その長期予後について検討した。平均観察期聞は7.2±3.3年で,最終観察時には15例は尿所見が正常化しており, 4例は軽度の血尿,蛋白尿を認めるのみであった。3例で高度蛋白尿を認めたが腎不全へ進行した症例はなく,多剤併用療法は極めて有効と考えられた。