免疫抑制薬感受性を指標としたcalcineurin機能的関連遺伝子の探索と解析
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概要
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蛋白質脱リン酸化酵素calcineurinは,ヒトから酵母まで広く存在し,免疫抑制薬であるFK506およびシクロスポリンAの標的分子であることが報告されている。calcineurinの機能的関連遺伝子を単離する目的で,我々は,分裂酵母において,its mutants (immunosuppressant-and temperature-sensitive mutants)を多数単離した。これらの変異株では,calcineurinと機能的に関連し、増殖に必須の働きをする遺伝子に変異が生じていると予想される。実際,これらの変異株の増殖にはcalcineurin遺伝子の存在が必須であることが遺伝学的解析により明らかとなった。これらの変異株を解析することにより,いくつかのcalcineurin関連遺伝子を単離した。そのうち,its1^+遺伝子はβ-adaptinホモログ,its3+遺伝子はPI(4)P5-kinaseホモログをコードしていた。これらの結果から,calcineurinがβ-adaptinやPI(4)P 5-kinaseと機能的に関連しながら,細胞内での小胞輸送等において必須の機能を果たしていると考えられる。
- 神戸大学の論文