CL-調節機構におけるcalcineurinおよびcalcineurin関連遺伝子の役割
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概要
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細胞内CH^-(塩素イオン)濃度は種々の輸送体により調節されていると考えられているが,その分子レベルでの制御機構は殆ど不明である。C1^-調節機構は,真核生物において広く保存されていると考えられるため,本研究においては,分子遺伝学的解析が容易な分裂酵母モデル系を用いて. C1^-調節機構を解析した。分裂酵母の遺伝子に突然変異を誘発した約42,000コロニーの中からC1^-に超感受性を示す変異株をレプリカ法で25種単離した。また,変異株間で相補性試験を行った結果,変異株は. 19種類の遺伝子座位(cls1-cls19)に分類され、cls1は6個, cls2は2個, cls3〜cls19は1個のalleleからなった。cls1は,遺伝子クローニングの結果,分裂酵母calcineurinの触媒サプユニットをコードするppbJ^+遺伝子座位における変異体である事が明らかとなった。ppbJ^+遺伝子破壊株を作製し,その生育に対する陰イオン,陽イオン,浸透圧. pHの影響を調べた結果,ppb1破壊株はC1^-に高い感受性を示すことが明らかとなった。さらにcls2〜cls19の18種の変異株のうち,FK506に感受性を示すものが14種を占めた。以上のことから. ca1cineurin及びcalcineurinと機能的に関連する遺伝子がC1^-調節に重要であることが示唆された。