空間恐怖の精神病理に関する一考察: ジェンダー論的空間分離モデルの試み
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概要
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1987年のDSM-III-Rの分類以来,空間恐怖はパニック・ディスオーダーの合併症もしくはその随伴反応、として定義されるようになってきている。しかし,空間恐怖は. 1871年に報告されて以来,その恐怖反応が人聞の空間体験の独自の変容を現すものとして,主としてヨーロッパで関心が向けられてきた。本論文は,既婚と未婚の2人の女性空間恐怖症例を通して,恐怖された外的空間の意味を,自立と依存という対立するこつの欲求の葛藤の象徴として見直すものである。さらに,空間恐怖症の殆どを占める女性がおかれている近代以降の空間的状況について,その成立にジェンダーが関与していることを指掠し,かかる状況における女性の空間対応反応を心理・社会的に考察するものである。
- 神戸大学の論文
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