モルモット胃粘液培養細胞の増殖に対する各種増殖因子と消化管ホルモンの効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
胃粘液細胞の増殖制御の機構を明らかにするため,モルモット胃粘液細胞の初代培養系を樹立し,各種増殖因子と消化管ホルモンによる胃粘液細胞のDNA合成に対する効果を検討した。モルモット胃粘膜より分離した胃粘液培養細胞においてepidermal growth factor (EGF)とinsulinはそれぞれ単独で濃度依存性にDNA合成を刺激し,また両者は相加的にDNA合成を刺激した。basic fibroblast growth factor (bFGF) もEFGによるDNA合成刺激に対し相加的に作用した。一方,vasoactive intestinal peptide (VIP),secretin,prostaglandin E_2, dibutyryl cAMP,は胃粘液細胞のDNA合成を刺激しなかった。さらに, platelet-derived growth factor (PDGF),cholecystokin inoctapeptide(CCK8),carbamylcholine chloride(CCh)は単独で胃粘液細胞のDNA合成を刺激せず,また,EGFによるDNA合成刺激に対し相加的に作用しなかった。胃粘液細胞における結合実験の結果EGFとbFGFに対する高親和性結合部位が認められたが,gastrinに対しては認められなかった。ノーザンプロット分析の結果EGF受容体のmRNAの発現は認められたが,gastrin受容体のmRNAの発現は認められなかった。これらの結果よりgastrinや他の消化管ホルモンはモルモットの胃粘液細胞の増殖に対して直接の効果は認められず,EGF,insulin, bFGFが胃粘液細胞の増殖を制御している可能性が示唆された。
- 神戸大学の論文
著者
関連論文
- モルモット胃粘液培養細胞の増殖に対する各種増殖因子と消化管ホルモンの効果
- 家族性膵炎における膵石蛋白遺伝子の解析
- ラット膵腺房細胞におけるホスファチジルコリン合成に対する cholecystokinin の抑制作用 (第2報)
- エタノールのモルモット単離胃主細胞ペプシノーゲン分泌刺激作用
- 胃底腺における teprenone, H2受容体拮抗剤のホスファチジルコリン合成に及ぼす効果