インスリン刺激によるCSKをカイスルSrcファミリーチロシンキナーゼ活性の抑制
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヒトインスリン受容体を過剰発現したChinese hamster overy細胞CCHO-IR細胞)において,インスリン刺激によりSrcファミリーチロシンキナーゼ活性が抑制された。また,インスリン刺激によりSrc C末のTyr527がリン酸化された。CHO-IR細胞に野生型CSKを過剰発現するとインスリン刺激によるSrc活性の抑制はより強く認められ,キナーゼ活性のないCSKを過剰発現するとインスリン刺激によるSrc活性の抑制は認められなかった。インスリン受容体とCSKとの関係を検討した所,インスリン刺激により自己リン酸化したインスリン受容体とCSKの結合が認められた。CSKはインスリン受容体のC末と結合すると考えられ,C末のTyr1316とTyr1322をPheに置換した変異型インスリン受容体を過剰発現したCHO細胞では,インスリン刺激によるSrcファミリーチロシンキナーゼ活性の抑制が減弱していた。以上の結果より,インスリンはCSKを介してSrcファミリーチロシンキナーゼ活性を抑制していると考えられた。
- 神戸大学の論文