糖尿病ラット視神経における神経線維の変化とアルドース還元酸素阻害剤の効果について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットおよびアルドース還元酵素阻害剤(ARI)投与糖尿病ラット視神経における軸索,髄鞘の形態計測を行った。光顕的観察では糖尿病群と正常群において視神経断面積に著明な差異は認めず,またARI投与の影響も認めなかった。電顕的観察においては糖尿病ラットでは神経線維が不正であり,神経線維径が縮小,髄鞘における層構造の乱れが認められた。また,糖尿病ラットでは,軸索,髄鞘ともに断面積の減少を認め,末梢神経における変化と同様の変化が視神経においても確認された。また,ARI投与により軸索,髄鞘の障害が改善された。糖尿病性神経障害の原因としてポリオール代謝異常が推測され,糖尿病性神経障害の治療におけるARIの有用性が示唆された。