生体内におけるMaillard反応中間代謝産物3-deoxyglucosone(3-DG)の特異的定量
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概要
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Maillard反応後期段階中間代謝産物3-deoxyglucosone (3-DG)はin vitroの蛋白質架橋形成において強力なcross-linkerとして作用することが知1られている。また,3 -DGは生体内に存在することが証明されているpyrralineやpentosidineをはじめとするAdvanced glycosylation end products (A G E s)の前駆体として,その生体内での存在が示唆されてきた。我々は,3-DGが2,3-diaminonaphthaleneと反応し,特異的な吸光度特性を有する安定な誘導体2-(2,3,4-trihydroxybutyl)-benzo [g] quinoxalineを生成することを利用し, in vivoにおける3-DGの特異的な定量法を確立した。ラット血漿中の3-DG濃度は対照群に比べ, STZ 誘発糖尿病ラット群で有意に上昇していた(379±69nM vs. 918±134nM,p<0.001)。またMaillard反応抑制物質amlnoguanidine投与により糖尿病ラットにおける血漿3-DG濃度の増加は有意に抑制された。ラット血漿中のpyrraline濃度においても,糖尿病ラットで有意に上昇し,aminoguanidine投与により抑制傾向を示した。今回,3-DGが生体内に存在し,さらに糖尿病状態で増加することが証明され,この3-DG特異的定量法は糖尿病性合併症の進展およびMaillard反応抑制剤の効果を評価する有用な手段となりうることが示唆された。
- 神戸大学の論文
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