高血圧症における副甲状腺由来昇圧因子に関する臨床的研究
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概要
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高血圧症患者において血漿中の副甲状腺由来昇圧因子(parathyroid hypertensive factor,PHF) を測定し,その病態との関連を検討した。未治療の本態性高血圧症患者11名,並びに確定診断された二次性高血圧症患者10名(Conn症候群7名,腎血管性高血圧症3名)を対象とした。患者の血漿を24時間透析し,1000dalton以下をcutoffした後,正常血圧ラットの静脈内に注入した。注入する直前のラットの平均動脈圧を基礎血圧とし,60分間の動脈圧変化の最大値と基礎血圧との差を血中PHF活性(mmHg)とした。本態性高血圧症患者の血中PHF活性は正レニン群に比し,低レニン群で有意な高値(p<0.05)を示した。Conn症候群患者の血中PHF活性は腎血管性高血圧症患者のそれに比し有意な高値(p<0.05)を示した。本態性高血圧症及び二次性高血圧症において,血中PHF活性と血衆レニン活性との間にそれぞれ有意な負の相関(p<O.01) が認められたが,血中電解質,アルドステロン濃度,赤血球内Na濃度との間には明らかな関連性を認めなかった。以上より, PHFは低レニン性の体液依存型高血圧の昇圧機序と病態に関与しうることが示唆された。
- 神戸大学の論文
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