トウガラシの授粉に関する研究 : 第 1 報 開花および花粉の発芽力
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概要
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1. トウガラシの授粉, 採種に関する基礎研究として開花現象の観察と花粉発芽試験を行い, とくに温度との関係を検討した。2. トウガラシの開花は時期によつてかなり相違し, 6月初には午前6∿10時に多いが8月初の高温期には4∿8時に早まつた。開葯時刻は6月初には8∿12時に多いが8月初では8時までにほとんど開葯した。品種間にも差がみられ, とくにTabascoは他の品種に比較して開葯時刻がおそく, 8月初にも10∿12時に開葯した。3. トウガラシの花粉の発芽は10℃附近から始まり, 25∿30℃が最適温度で, 30℃を超える高温では, 花粉の発芽, 花粉管の伸長とも急激に阻害された。しかしTabascoのみは高温によく適応して35℃においてもかなりよく発芽し, 開葯時刻との関連がうかゞわれた。また在来品種は洋系品種に比較して花粉発芽の温度に対する適応性がやゝ大きい様であつた。4. 開葯後の花粉発芽力は高温下では急速に失われるが, 20℃に保存した場合は2昼夜後にも相当発芽し, 4昼夜後にも僅かながら発芽力を示した。
- 京都府立大学の論文
- 1957-09-01