「新派俳家句集」と「俳諧木太刀」
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概要
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明治時代に於ける二つの俳句集に對し解説批評を試みた。俳句集出版といふ仕事を通して當代の俳句界を眺める時,單に俳句の作風傾向を探究するよりも別な意味が見出せるように思つた。一つの作品が作られるにも色々な背景を持つてゐるが,一つの書が刊行されるにも亦その背景があるに違ひない。装釘なども時として内容を語る背景となることがある。で私はさういふ面をも考慮しようと努力した。結果から見れば俳句界への苦言となつてゐる點もあらう。とにかく私は卒直に二つの句集全體から受ける感じを記録しようとした。明治時代の新體詩,短歌,のアンソロジーは近頃河出書房から刊行され,好評であるが俳句のそれはまだ出てゐない。今後も出刊されにくいのではあるまいか。なぜなればかくの如きものも商業主義と結びつかねばならないから,明治以後の俳句集が復刻されても余りもてはやされないのではなからうか。然し明治大正の俳書大系が編まれるとしたら,こゝに解説する二つの句集は第一の重要資料でなければならない。
- 京都府立大学の論文
- 1952-12-20
京都府立大学 | 論文
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