最近の障害児療育に関する諸問題
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概要
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日本における障害児療育は1980年頃から急速な発展を見せている。その中で最近,特に著しい変貌を見せている事項をとりあげて説明した。1.早期発見,早期治療に対して,早期確認,早期介入という概念が台頭し,教育の占める位置が漸次増大してきた。2.障害を有するために,親子分離しなければならないということに対する反省がおこり,正常な,自然な親子関係を保とうとする動きが活発になった。入院抱えこみ療育は前時代の遺物に近い。3.脳性麻捧の障害は四肢に限られたものではない。坐位保持の有益性が見直され,シーティングシステムが開発されている。歩け歩けの時代から,トータルケアを目指した方法に視点が拡大しつつある。4.障害の治療より障害の克服が最も重要である。そのためには雇用,賃金から,希望,生きがいという方向に目標を拡大した処遇を考え,それに適応した施設の出現が望ましい。
- 北海道教育大学の論文
- 1990-03-12