<事例研究>ある地域における特殊学級のあゆみ : 旭川市の場合
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概要
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昭和27(1952)年1月に旭川市立青雲小学校に特殊学級が誕生した。当時,特殊学級,特殊教育とはどのような教育の営みかが明らかでないまま,学業不振児の学力促進を目的としてスタートしたのである。その後,つぎつぎと市内に特殊学級が開設され,40年には小中学校合わせて12学級,50年には同じく31学級,そして63年6月1日現在で21学級154名の児童生徒が精神薄弱特殊学級で学んでいる。この歩みから何を教訓としてとり出し,何を受け継ぐことができるであろうか。ここから,これからの障害児教育の道しるべとすべき課題を追求するために本研究を設定した。その過程で,(1)40年代に開催された2つの教育研究大会により,精神遅滞児の教育が発展・充実したこと。(2)「養護学校義務制」により,入級児童生徒の障害は重度化したこと。(3)「旭川市特殊学級担任者会」をはじめ,多くの機関が精神遅滞児教育を推進したこと,などの諸点が明らかになった。この実践の歩みは,つねに子どもの発達保障のために実践研究をかさねてきた教師の教育努力を浮き彫りにしている。
- 北海道教育大学の論文
- 1989-03-11