偏食傾向があり,環境に適応できず食べないT児の指導 : 食事指導を中心に,対人意識の向上を図りながら
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概要
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養護学校に入学してくる自閉的傾向の子どもは対人関係面での遅れとともに,偏食傾向をもつものが多い。本事例では,二つの傾向は無関係なものではなく,偏食の改善をすることにより対人関係の広がりにもつながるとの指導仮説を立て,ステップ(段階)を押えながら指導を展開した。まず,教師の介助で食べなければならいことを理解し,少しずつ食べ物をロに入れるようになり,それが徐々に介助が少なくなり,声がけで食べるようになり,最後には一人で全部食べるように変化してきた。同時に,対人関係(特に教師との関わり),言語(場に応じた言葉),模倣,遊びの中でも顕著な変化が見られるようになってきた。偏食の改善と他の面(特に対人関係)の改善の間には相互関係がかなり見られ,指導するにあたり,両者の相互に作用することにも目を向けていく必要があると考える。
- 北海道教育大学の論文
- 1988-03-15