特殊教育諸学校における養護教諭の職務 : その特殊性と役割について
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概要
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教育の目的が心身ともに健康な国民の育成にあることは周知のとおりであるが,こと特殊教育諸学校においては,児童生徒の障害ゆえにその自己防衛力を養うため,健康生活指導として保健教育が前面に打ち出されている。その中心的役割を担う養護教諭の活動は,児童生徒の障害の種類や程度,児童生徒数等学校の規模,そして関連諸機関との連携など,その形態によって様々な形をとって行われている。本研究では,全道54校の特殊教育諸学校の養護教諭に対してアンケート調査を行った。質問の内容は,(1)児童生徒の障害の内訳,(2)寄宿舎や施設等の併設状況,(3)保健室の状況,(4)養護教諭の一日の活動の流れ,(5)力を入れている職務活動,(6)特殊教育諸学校特有の活動,(7)性指導について,(8)担任教師,家庭,関係諸機関との連携について,(9)児童生徒の傷病の特色,(10)養護教諭自身の研修活動,(11)要望について,などである。主な結果は,(1)養護教諭が各学級に入り,児童生徒と直接的な関わりをとっている,(2)ほとんどの学校が寄宿舎や施設あるいは病院を併設しており,それら関係諸機関との連携が密である,(3)養護教諭自身,研究心が旺盛であり,一般教諭への指導も活発に行っている,(4)他校の養護教諭との情報交換が強い要望として挙げられている,などであった。
- 1987-03-15