自閉児の身体運動に関する実践的研究
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概要
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身体運動というものには,スポーツ等の,いわゆる競技行動から,人間が生きていく上での基本的動作まで,幅広い内容が含まれている。更に,これらは子どもの発達段階に伴って変わってくる。子どもは,それぞれの時期にふさわしい身体運動を通して様々な能力,すなわち社会能力や認知能力等を身につけていく。だから,障害をもち,発達に障害があったり,遅れがみられる子ども達には多くの場合,運動面の遅れが存在する。このような理由から,発達を促すための基礎的なアプローチの1つとして,身体運動指導が重要な意義をもつとされているのである。深川市立深川小学校の情緒学級「たんぽぽ学級」においても,自閉児に対する指導の中で,重要なアプローチとして身体運動を取り上げている。「たんぽぽ学級」の子ども達の成長の要因の全てが身体運動指導に帰するということは一概には言えないが,学級の指導を受けるようになってから子ども達には,健康の増進,運動能力の向上や意志の行動化等,様々な成長が認められる。そこで「たんぽぽ学級」の過去3年間の実践の経過を粗大運動の指導に焦点をあてて検討し,考察を加えた。
- 北海道教育大学の論文
- 1987-03-15