帯広市における情緒障害学級の実態 : 登校拒否児の治療指導を通して
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概要
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帯広市に情緒障害学級が昭和48年度に新設されてから本年59年度で12年になる。登校拒否児の初めてのケースは昭和50年度であった。その後10年間に治療指導した中から14例について(1)家庭的背景,(2)登校拒否の動機と原因,(3)登校拒否の経過,(4)母親像のタイプ,(5)登校拒否症状の発展段階,(6)親へのアプローチの手順と変容過程,(7)登校拒否児への治療指導と変容過程の点に,個々のケース記録をもとに検討を加えた。その結果,生育歴・親の養育態度の問題,早期発見・早期対応の必要性,母親と児童のタイプに即した指導と,登校拒否症状の段階ごとのスモールステップ指導の重要性,子ども自身の内面的成長,親と情緒学級担当者の成長,学校の協力等の大切さが浮き彫りにされた。今後の課題として,幼・小・中学校の連携による登校拒否児の早期発見・早期治療指導,一般学級担任の登校拒否の理解,関係諸機関の連携,教育相談機能の充実,登校拒否担当者との実践研究交流などが求められた。
- 北海道教育大学の論文
- 1985-03-15