三笠市における障害児者の地域ケアに関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
三笠市は,かつて栄えた石炭産業がエネルギー革命とともに衰退の一途をたどり,過疎化と高齢化が進行している。本論は,三笠市の心身障害児者の実態,障害児者の各ライフステージにおける状況をあきらかにし,三笠市の障害児者に対する地域ケアの地域的課題を検討するものである。三笠市は,65歳以上の人ロ率は,22.4%と高齢化がすすみ,身体障害者手帳所持率は,18歳未満より18歳以上の方が高く,年齢が高くなるにつれて高率となり,70歳以上では15.6%となっている。療育手帳所持者は逆に,18歳以上が18歳未満のものより低い率になっている。三笠市は障害児者の保健医療・学校教育・福祉施設面で隣市の岩見沢市・美唄市に依存してきたが,最近,手をつなぐ親の会,ボランティアなど市民の積極的な活動と市当局と社会福祉協議会の協力のもとに,義務教育終了後の生活と働く場を整えつつある。今後は,この活動が,一般市民にも広がり,社会福祉がますます活発化し,福祉の向上につながるように発展させていくことが望まれる。人口の減少の流れのなかで,財政的・行政援助の問題はのこっているが,岩見沢市と美唄市と連携しつつ,可能な範囲で独自の事業の充実と高齢化に対する心身障害者対策の充実が求められる。
- 1992-03-31