自閉傾向のあるA君とのコミュニケーション : 遊びと運動を通して
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概要
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本論では,TEACCHプログラムの手法に学びながら,5才の自閉児A君と家庭においてかかわった経過を報告する。かかわりの時期は,平成3年7月から12月までで,その間,(1)出会いから家庭での付き合いになれるまでの時期(7月〜10月),(2)意図的・課題的かかわりの時期(10月〜12月),の2期に分けることができた。CARS(小児自閉症評定尺度)では,34.5〜36.5点で,軽度と中度自閉症の境界であり,PEP(教育心理診断検査)の結果,粗大運動,表出言語で,芽ばえが多くみられた。そこで,遊びと運動を通して,対人関係・遊び・言語表出の広がり,運動の持続力の向上を目指した。後半には,簡単な言葉による意思表示を示し,言葉の量が増加した。PEPおよびCARSによる評価表は利用できたが,TEACCHプログラムの構造化の手法を取り入れるには,さらに準備が必要と思われた。
- 1992-03-31