集団性を高めるための「あそび」の指導 : 合同学習を通して
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概要
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本報告は,北海道旭川養護学校(肢体不自由)小学部重複学級の児童の,集団性を高めるための「あそび」の指導について,合同学習の場における実践研究である。重複学級に在籍する児童は,運動機能障害と併せて知的発達の遅れを伴っており,したがって対人関係や集団生活の面での困難さを指摘することができる。本研究では,対人関係や集団への参加にかかわる発達の側面を「集団性」とおさえた。また,年齢や発達段階の異なる大きな集団であること,週2単位時間の学習であることなど,合同学習の特性をふまえ,より効果的な「あそび」の指導内容,方法と,併せて児童一人ひとりの「集団性」にかかわる変容をとらえる方法を実践的に明らかにしようと試みた。研究を進めるに当たって行った児童の「集団性」に関する実態把握にもとづいて発達段階ごとに指導目標を設定した。そして,教材や題材の構成,授業の展開の仕方を考慮し,指導内容を毎時間の中心的な「あそび」となる「主題材」と1年間を通して繰り返し指導する「歌あそび」「リズムあそび」として指導計画を作成し,実践を始めた。評価の実施に当たっては,独自の観察記録表を作成し,その活用及び記録の分析を通して子どもの変化と指導内容,方法を関連させて評価した。その結果,徐々に教師とのかかわりから子ども相互のかかわりへと広がりが見られるようになり,集団がつくり出す独特の雰囲気の中で,友達を意識してまねようとしたり,簡単な約東を理解して楽しく生き生きと遊ぶ子どもの様子がとらえられた。さらに,毎回の指導にフィードバックさせることができ,指導内容,方法の改善につながった。また,指導者個々の指導の反省や率直な感想をまとめて随時発行したミニコミ誌「しいのみ」は,教師間の共通理解を深め教師間の連携を図る上で大いに役だった。
- 1991-03-25
著者
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高橋 和明
北海道旭川養護学校
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倉田 勇
北海道旭川養護学校
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武田 真弓
北海道旭川養護学校
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山田 規美江
北海道旭川養護学校
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赤松 拓
北海道旭川養護学校
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柴崎 睦美
北海道旭川養護学校
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北 圭一
北海道旭川養護学校
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乙井 清隆
北海道旭川養護学校
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大熊 久美子
北海道旭川養護学校
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五十嵐 利裕
北海道旭川養護学校
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加賀谷 和則
北海道旭川養護学校
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藤川 聖一
北海道旭川養護学校