ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシッャド I, 5,1-6,3
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
I, 5,1-13。最初に, 謎の詩節(sloka)がある。そして, これに対して, 注釈が施される。生類の父は7種類の食物を生み出す。創造者としての父は, 1つを全生類のために, 2つを神々のために, 1つを家畜のために, 3つを自己自身のために創造した。父が自己自身のために創造した物は, 言葉, 心, および息である(1-3)。言葉, 心, および息の3つからアートマンは構成されている。つまり, アートマンは現象形態の背後に隠されている究極的実在ではなく, 現象形態そのものである(4-13)。I, 5,14-15。生類の父プラジャーパティには, 16の部分がある。アートマンである。このアートマンは, (車輪の)こしきである。このアートマンは永続的なものであり, 不滅である。それゆえ, このように知っている人は, たとい一切を失っても, アートマンによって生きる。I, 5,16。ここでは三界, およびそれらを獲得する仕方が述べられている。I, 5,17-20。息子に対する父の遺贈(sampratti)が, ここでは問題になっている。父が自己の息子に自己の感覚器官を遺贈した後に, 大地, 天, および水中から, 息子のなかに神的な言葉, 心, および息が入る。そして, このように知っている人は, すべての生類のアートマンになり, 彼らにとって, 生類の悲しみは無縁である。しかし, 20において説かれるアートマンは, 神的な息と実質的に同一である。I, 5,21-23。Vrata-mimamsaにおいて説かれているのは, 神的な息である。「誓いの論究」は, われわれにヨーガの技術を思い出させる。言葉, 眼, および耳が疲労して死に捉えられるのに対して, 神的な息, あるいは中央にある息は疲労することもなければ, 死ぬこともない。風が休止することがないように, 自己に関しては息は衰えることもなく, 休止することもない。この神的な息は, 実質的にはアートマンとみなされる。I, 6,1-3。ここの箇所で, われわれは極めて注目に値する思想に出会う。全世界は, ただ1つであるアートマン(自己)の3重の現象である。アートマンは現象形態の背後に隠されている存在ではなく, みずから現象する存在である!, ここでも, アートマンは実質的には神的な息である。アートマンは不死である。アートマンは, たとい1つであっても, 3つ1組(traya)である。アートマンと現象形態の間に何の差別もないことを, ここの箇所の作者はわれわれに教える。アートマンそのものが, そのまま現象するという思想が, ここでは見いだされる。
論文 | ランダム
- S0401-1-4 酸化カルシウムとマグネシウム合金のバルクメカニカルアロイングによる固相反応(粉末成形とその評価(1))
- S0401-1-3 バルクメカニカルアロイング法による高強度耐熱マグネシウム複合材料の開発(粉末成形とその評価(1))
- バルクメカニカルアロイング法による高強度マグネシウム複合材料の開発
- 日本の絶滅危惧樹木シリーズ(19)クロミサンザシ
- バルクメカニカルアロイング法によるマグネシウム複合材料の開発