<ORIGINAL ARTICLE>Stem cells of olfactory cells during embryonic development
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概要
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胎生期のマウスの嗅上皮と鋤鼻器の嗅細胞の幹細胞についてブロモデオキシウリジン(BrdU)と神経細胞接着分子(NCAM)の抗体を用いた二重染色と電顕により調べた。妊娠マウスにBrdUを投与し1時間後屠殺すると,胎生12日目の嗅上皮と鋤鼻器では上皮全体にBrdU標識細胞が多数みられ,活発に分裂していることが示唆された。これらの細胞は円柱形で,少数のリボゾーム,粗面小胞体を有しNCAM陰性であった。これらの細胞の間にNCAM陽性の嗅細胞が少数みられた。胎生14日目には,円柱形細胞は上皮の基底側に限局するようになった。円柱形細胞のBrdU標識は,BrdU投与24時間後には大部分,上皮中央の嗅細胞層へ移動することから,この円柱形細胞が嗅細胞へ分化することが示唆された。胎生17〜19日目には,円柱形細胞は,鋤鼻器ではNCAM陽性の丸い細胞に,嗅上皮では二種類の基底細胞(globose basal cells, basal cells proper)に置き代るようになる。
- 北海道医療大学の論文
- 1993-12-31