Overjet, overbiteの後戻り様相とその要因についての頭部X線規格写真による検討補遺
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概要
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本研究は前研究結果の再確認に加え, さらに精密な検討を加えるべく, 前研究の資料(矯正治療を完全に終了し, その後平均9年10ヵ月を経過した白人女子53症例)をもとに, overjetおよびoverbiteの推移をそれぞれ単独の事象としてとらえ, これらの推移の結果と治療前の形状, 動的治療中および治療後の諸形態の経時的変化それぞれとの相互関係を平均値の差の検定ならびに主成分分析法を用いて明らかにしたものである。その結果, 次の諸点が明らかとなった。1)治療後のoverjetの度合を増加させる要因は, 治療中でのNasalHoorの回転に対する逆回転現象である。2)治療後のoverbiteの度合を増加させる要因は, 治療後の上顎前歯の舌側傾斜移動および上・下顎前歯高の増大現象である。3)治療後のoverjet, overbiteの度合をともに増加させる要因は, 治療後の下顎前歯の舌側傾斜移動現象である。これらのうち, 1)の現象については前研究結果では「後戻り現象」と考察したが主成分分析法を用いた本研究からはその傾向はみられなかった。2), 3)の現象については前研究結果と同じく, 2)の現象は「後戻り現象」とは認め難いこと, および3)の現象については「後戻り現象」とみられることを再確認した。
- 1983-09-15
著者
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