下顎骨骨折に対するネジ止め固定法の安定性について : 有限要素法による応力解析
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概要
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ヒト下顎骨正中矢状断面に, 骨折面を設定し, ネジ止め固定法による固定性の検討を, 片側臼歯部で噛みしめを行った場合を想定し, 三次元有限要素法を用いて行った。(1)骨折面で骨片間の接触が得られた場合には, 良好な固定性が得られた。しかし, 骨片間の接触が得られない場合には, 離開量が接触した場に比べ約10倍となった。骨の接触が得られない場合には, 骨折面付近のネジとネジの周囲に大きな応力の集中を認めた。(2)ネジ1本による固定の場合, 下方固定の場合が, 上方固定よりも離解量が小さかった。(3)ネジを骨折面と骨表面のなす角度の二分の一方向に挿入した場合, 左と右との噛みしめで固定性および応力の集中の程度に違いが認められた。以上より, ネジを骨折面に垂直に挿入する方法は, 骨折面での骨接触が得られる場合には有用な固定法であることが示唆された。
著者
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