海面水温データによる日本南方海域表層流量の推定と評価 - 衛星データの利用をめざす基礎研究 -
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概要
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海面水温場より海面から深さ120メートルまでの表層流量を推定するモデルを開発し, 1991年1月から2月にかけて本州南方海域における船舶観測データから得た流量にもとづき検証を行なった。モデルはまず海面水温傾度と海面勾配との関係から1次推定流量を求めた後, 非発散水平流れの仮定のもとでポアソン方程式を数値的に解くことによりモデルとしての2次推定流量を求めた。得られた流量をADCP (Acoustic Doppler Current Profiler (音響ドップラー流速プロファイラー)) および力学計算により得られた海面から深さ120メートルまでの地衡流量にもとづき検証した。ADCPによる流量および地衡流量との二乗平均平方根 (rms) 誤差はそれぞれ2.2, 2.1スベルドラップ (10<SUP>6</SUP>m<SUP>3</SUP>/sec) となり, 対象海域への海面から深さ120メートルまでの黒潮流入量約19スベルドラップに比較して充分小さな値である。この方法により海面水温場から深さ120メートルまでの表層流量の推定が可能であることがわかった。またモデルより得られた流れ関数の分布は, 黒潮流軸を含む本州南方海域の流れの場と定性的によく一致した。なお船舶による観測期間中に受信した衛星画像は冬期季節風による雲のために海面水温分布推定には利用できなかったので, 観測船から観測した海面水温から内, 外挿するための式を導き, この式により擬似衛星海面水温分布図を作成して利用した。
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