千葉県における積雪災害の特徴
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人文地理学の環境としての気候の記述においては,主に平均値や出現頻度の多い現象が記載の中心となっていることが多い.しかし,出現頻度は少なくとも,社会的・経済的影響の大きな気象現象は重要な事項である.例として,温暖地における降・積雪があげられる.関東地方の温暖地である千葉県内では大雪注意報・警報ともその基準値は非常に小さく,雪害対策が不可能であることを示唆している.千葉県の雪害は南岸を低気圧が接近して通る1月中旬から2月下旬に発生しやすい.過去25年間で見ると,年平均0.86回の雪害が発生している.また,2月に発生した災害の38%を占めている.積雪による被害は農業のみならず,交通障害などを引き起こし,生活や他の産業への影響も大きい.このように,出現頻度や発生時の多方面にわたる影響から考えて,千葉県における雪害は県の気候誌に記載すべき重要な要素と考えることができる.
- 文教大学の論文
著者
関連論文
- 千葉県周辺における降水量・降水日数の平年値の分布
- 千葉県における積雪災害の特徴
- 歴史時代の降水量分布復元の一方法 : 日本の気象災害の研究(5)
- 気候変動の電灯使用量に及ぼす影響
- 埼玉県における降雹の特徴 : 日本の気象災害の研究 その4
- 日本の気象災害の研究-2-四国地方における干害発生の気候学的指標
- 四国地方における昇温後の干害発生数の予測 : 日本の気象災害の研究(3)
- 四国地方における干害発生の気象学的指標 : 日本の気象災害の研究(2)
- 日本気象災害の研究 : (1)農業気象災害年表の作成
- 江戸時代後期における冬季の天候復元に関する一考察