多発性脳梗塞における聴覚性事象関連電位の検討
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概要
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本研究の目的は,臨床的に痴呆を認めない慢性期多発性脳梗塞患者の認知機能を聴覚性事象関連電位を用いて客観的に評価することである。多発性脳梗塞患者12例,健常者10例で事象関連電位を記録した。本研究の特徴はhabituationを検討するために聴覚性事象関連電位を90回連続記録したことである。90回の反応を9 block(1 block=10回加算)に分割し,Fz, Cz, Pzで記録されたN100とP300頂点潜時及び振幅を三元配置分散分析(群×電極×block)で解析した。多発性脳梗塞群では,対照群に比較してN100潜時とP300潜時の有意な延長及びP300振幅の有意な低下がみられた(p<0.05)。また,連続刺激により多発性脳梗塞群では,P300潜時が次第に延長し,N100振幅が次第に低下するhabituationがみられ,健常対象群とは異なる変化がみられた。明らかな痴呆を認めない多発性脳梗塞患者においても,潜在的な注意,認知,情報処理機能障害の存在が示唆され,90回連続記録を行うことにより,habituationに関連した病的変化を検出することができた。
- 2003-04-28
著者
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