幼児の咬合力に関する実態 : 足利市某幼稚園児において
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概要
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飽食時代を反映した幼児の「噛めない子・噛まない子」の課題を検証した。そのために日常食生活行動の調査を咬合力測定を足利市某幼稚園児171名と家族に実施。食事の流し込む型の食べ方「よくする」では,年長7.1%年中12.3%年少12.5%の少ない頻度であった。「噛めない子・のみ込めない子」の原因の一つに哺乳様式が関与しており,乳房哺育13.0%,哺乳瓶哺育26.0%で,その内流し込む形の食べ方頻度は年中73.1%年少68.2%年長66.7%で,年長児と年中児,年中児と年少児の男女ともに有意差を認めた。又気になる食事様子の「硬いものなど口から出してしまう」32.5%は10年前の2.0%よりはるかに多い。咀嚼力の弱化は59.2%の出現で,弱さが浮き彫りとなり,今後の子供の関わりの示唆とみる。流し込む形の食べ方と最大咬合力の相関係数の算出は年少児に示され,R0.151>L0.092正の関係であった。咬合力平均値は最大値15.4kg,最小値9.7kgで,男児の年長は年少より有意に高値であることが認められた。
- 1994-12-15