「翻訳」ハイン・レッター『遊具』 : 遊具の歴史と遊具教育学への手引書(その3)
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概要
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まずハイン・レッター氏は,以下の事柄を解説及び指摘する。即ち,精神科学的思惟の業績は,狭い範囲の学校教育学を越えて,文化領域全体へと展望を開いた。逆に,哲学的な方法をとる教育学が,広く行き渡っていた教育学的実践の欠陥を改めたことへの貢献がなかった。次にレッター氏は,精神科学的教育学の視点に基づく『遊戯』と『遊具』の意義に関し,これら二つのテーマが関係文献では極めて注目されているにも拘わらず,何故『遊戯』が極めて意義深く扱われ,『遊具』が無意識のままなのか,を明確にする。総括として,精神科学的教育学が遊戯の解明に対して成し遂げた主たる貢献は,レッター氏に依れば,遊戯教育学の有する人間学的諸前提を明確にした点である。その際,遊戯意識と遊戯現象との関係が,遊戯意識と遊具との関係によりはるかに中心を成していた。
- 足利短期大学の論文
- 1994-12-15