ブロイラーに対する高エネルギー飼料の効果(畜産学科)
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概要
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ブロイラー・ヒナの成長を促進し, 飼料要求率を少くするために高エネルギー飼料給与の効果について試験を行なった。試験には, ブロイラー専用種の白色コーニッシュと白色ロックのF1を用い, ケージ飼育で試験期間は8週間であった。対照区(標準飼料区)は, 日本飼養標準とNRC飼養標準に推奨されている全養分を充たすように配合した飼料を用いた。高エネルギー区は, 対照区に比しCPとTDNを増加し, 前期飼料のCP23%, TDN70%, 後期飼料CP21%, TDN80%とし, 1ポンドの代謝エネルギー(Cal.)をCPで除した値(ME/P)を前期飼料は60,後期70にした。配合割合と成分は, 表1,2に示した。結果は, 表3,4,5,6,に示される。1.発育 : 試験終了時(56日)体重は, 対照区1,550∿1,650gの範囲内にあったが, 高エネルギー区は1,750∿1,850gで, 後者が100∿200g重く, 両区の間に有意差があった。2.飼料要求率 : 対照区は2.5∿2.6の範囲内にあったが高エネルギー区は2.17∿2.25で高エネルギー区が勝れているように考えられた。3.飼料費 : 飼料単価は高エネルギー区が高価であったが, 1kg増体に要した飼料費は対照区31.8セント, 高エネルギー区30.8セントで両者の間に1セントの差があり高エネルギー区が安価であった。4回に亘って実施したブロイラー試験の結果から, 高エネルギー飼料が, 発育の促進, 飼料要求率の改善, 飼料費低減の面から有利であると考えられた。4.配合飼料に抗生物質を10ppm配合してもブロイラーの発育促進, 飼料要求率の改善に好結果をもたらすという成績は得られなかった。
- 琉球大学の論文
- 1972-12-01