パインアップル葉における内生 ABA の同定, 定量法の確立およびその含量の日変化
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概要
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パインアップルの葉の内生ABAの抽出, 精製法を確立し, サンプルを同定, 定量する方法を確立した.また, CAM植物であるパインアップル葉のABA含量に日変化があるか調べた。得られた結果は以下のように要約できる。1.パインアップルの葉におけるABAの抽出, 精製法が確立できた(第1図)。2.サンプルのABA-Meと, スタンダードの(±)-ABA-MeをGC/MSの2種類のイオン化法により同定した(第2,3図)。その結果, GCによるリテンションタイムが10.6minであり, ベースピーク(準安定イオン)がm/z190であることが確認された(第1表)。3.このm/z190のイオンをGC/SIM法により測定し(第4図), スタンダードの濃度とm/z190によるマスクロマトグラフのリテンションタイム10.6におけるピーク面積が比例することが確認できた。従って, スタンダードの濃度とピーク面積により検量線を作成した。4.本精製法における内部標準物質(±)-ABAの回収率は67.5%であり, ABAが精製過程である程度消失していることが認められた(第2表)。5.パインアップルの葉におけるABA含量を測定した結果, 明かな日変動が見られた(第3表)。これは気孔伝導度の日変化とほぼ対応していた。以上より, CAM植物の気孔の日変化には, ABAも関与していることが示唆された。
- 1997-12-01
著者
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